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古典芸能神事 -鷺舞-

 

菖蒲が咲き、蛍の乱舞する6月が過ぎました。

7月、夏の津和野の風物詩といえば -鷺舞-です。鷺舞は津和野の弥栄神社に伝わる古典芸能神事で7月20日と27日、昔から定められた場所で舞います。

鷺舞は天文11年(1542)に時の津和野城主吉見正頼(11代)が山口の祇園会から移し入れた芸能神事ですが、本元は京都の八坂神社祇園会に伝えられたもので、京都から山口へ、山口から津和野へと伝えられました。

坂崎出羽守の時代に一時中絶しましたが、亀井氏の時代になって茲政(2代藩主)は、寛永20年(1643年)坂田兵左衛門、柴屋彦両人を京都に派して京都祇園会の鷺舞を直接習得させ、今日まで受継がれています。

当屋制の事、鷺舞屋敷の事、諸々の儀式、ならわし等は時代の変遷に伴い省略されて記録に残るのみですが、鷺舞そのものは正しくうけ継がれ大事に保存されて「日本に只1つ残る鷺舞」と云われています。貴重な無形文化の遺産として学術的にも高く評価されています。

 

 

ここで津和野の歴史物語をもうひとつ。

亀井茲親(3代藩主)は元禄十一年(1698)勅使接待役を命じられたので、吉良上野介に故例の教示を依頼しましたが、浅野同様、数々の非礼を受け藩主を怒らせました。それを知った国家老多胡外記は早速、吉良家に御指導料として進物を贈りつけ、ことなきを得ました。

その時の進物の一つが「源氏巻」です。小判を下に敷きその上に竹皮で包んだ源氏巻をのせたという言い伝えがあります。

津和野を救ったといわれる縁起の良いお菓子として今日津和野を代表する銘菓となっています。

源氏巻 3本包